ベスト8 EYES
全日本大学野球選手権大会
2014-06-14
準決勝
神奈川大学vs愛知学院大学2 - 1
この試合のポイントとして5回裏愛知学院大の攻撃中、リリーフとしてマウンドに上がった兒玉の投球を挙げたい。
神奈川大の先発は児玉(リリーフの兒玉も同じ「こだま」)だったのだが、この回2つの四球を出しワンアウト1、2塁としたところで、リリーフの兒玉にマウンドを譲った。
この時点で点差は2点。ここで愛知学院大が驚きの作戦に出る。
マウンドに挙った兒玉の初球、愛知学院大がダブルスチールを仕掛けたのだ。これが成功しワンアウト2、3塁としてワンヒットで同点にできる状況を一気に作り出したのだ。この作戦には非常に驚いた。
この場面、100%成功するという確信がなければ盗塁をしないはずだ。反対に言えば、多少なりとも失敗するリスクがあるなら、盗塁をしては行けない場面だった。それだけに、ピッチャーが代わった初球のダブルスチールには度肝を抜かれたし、実際に神奈川大のバッテリーも無警戒で完全にモーションを盗まれていた。
これが百歩譲って、リーグ戦ならまだ理解できる。というのは、何度も対戦している相手でクセを見抜いていれば、初球からでも思い切ってスタートできるからだ。しかし、この大会はトーナメントで初めて戦う相手であり、そのような情報はほとんどないはずだ。それでも準決勝までの数試合の間に兒玉のクセを見抜いていたのか?今となっては真相は分からないが、この作戦は本当に見事だった。
が、ポイントとして挙げたいのは、その後の兒玉の投球だ。リリーフとしてマウンドに上がり、初球をダブルスチールされ一気に同点のピンチを背負うも、全く動じず自分の投球をしたのだ。さらにこの場面、愛知学院大の3番泉地を迎え、一番三振が欲しい場面。そこできっちりと三振に仕留めた。続く4番宮野の代打で打席に立った辻も連続三振とし、自分の役割を果たした。
もちろん他にも勝利の要因はあるが、5回の兒玉の投球が、神奈川大の勝利に大きく貢献したのは間違いないだろう。兒玉の堂々としたマウンド捌きに拍手を送りたい。
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